秋田県能代市、JR能代駅から徒歩6分ほどの閑静な住宅街に伝説のラーメン屋十八番がある。
そこに佇む一軒の普通の民家のような建物が、地元で愛され続ける老舗ラーメン店「十八番」。地元だけでなくラーメン通からしたら秋田のレジェンド的なお店。
この店の営業日は平日の月、火、木、金。
水曜日と土日祝は休みなので勤め人には訪れる難易度が高い。東京や大阪のような都会なら仕事の昼休みや営業の出先で行けそうだがここは秋田県能代市。地理的な問題もあり訪問難易度が難しいのもレジェンド的な評価を高めている。
東京駅から能代駅まで新幹線と国鉄を利用すると片道18,480円、往復すると36,960円
いくら東京でも一食3,7000円出したら一流ホテルでディナーが楽しめる。
言い換えれば東京在住のラーメン好きにとっては十八番のラーメンは一流ホテルのディナーに匹敵する。
十八番のルール
このラーメン屋には独自のルールが存在する。
以下にルールをまとめる。
- 入店
- 厨房へ行き店員さんに食べたいラーメンと自分の名前を伝える
- 空いている席に座る
- ラーメンができたら名前を呼ばれるから取りに行く
- 席に戻る
- 食す
- 食べ終わったら器を持ってレジへ行き会計
一度行けばなんてことないルールなのだが初見では戸惑う。
座るところはテーブル席と座敷があるが自分が入店した10時30分時点でテーブル席は埋まっていた。なので座敷席へ行ったのだが店員さんに注文を言うのを忘れていた。
テーブル席は店員さんがいる調理場から視界外。
ここで黙って座っていても永遠にラーメンを食べられない。後から入店してきたお客さんが店員さんに注文して名前を伝えているのを見て自分も伝えにいった。
注文しに行くときにこの座敷の部屋からテーブル部屋へ直接いったのだが、常連と思われる人に「そこは通り道じゃないから入口の方から行きなさい」と注意された。
入口の方から座敷の部屋にいく間にウォーターサーバーがあるのでそこで水を調達し着席してラーメンを待つ。
なんやかんやで自分の名前が呼ばれて念願のラーメンが到着。
醬油ラーメンの並800円。
ラーメンを構成するのはチャーシュー、メンマ、刻み葱、そして何と言っても印象的なレモン。
塩ラーメンにレモンが入ってることはあったが醬油ラーメンにレモンが入っているのは人生初。このコラボの相性はどうなのか?スープを味わうまで若干不安だったのだが完全に杞憂に終わる。
しょっぱめの醤油スープにレモンの爽やかな酸味が絶妙。
麺は地元・能代市の鍋谷製麺の細縮れ麺を使用。程よい歯ごたえがあり、スープとの相性抜群。
チャーシューは燻製されたものを使用。小ぶりでありながら、柔らかく脂身が少ない。
これは確かに遠くから来る価値がある。
カレンダーの隣りにメニュー表。
トッピングとして地味に拉油(100円)がある。自分は最初にその店で食べるラーメンにトッピングはしない主義なので今回はスルーしたがまた機会があれば拉油を試してみたい。
~と、ラーメンをすすりながら思った。
食べ終わったら自分でテーブルを布巾でふいてから丼を持ち返しに行き、そこでお会計となる。
自分が店を出るときは席に座れないお客さんが店の前に立っていた。能代市は人通りが少なく閑散としているのにこの店には人が溢れていた。
7月の半ばで扇風機の風にあたりながら食べるラーメンも美味しかったが、今度は雪が深々と積っている冬に来てラーメンを食べてみたい。
もちろん辣油をトッピングして。