驫木(とどろき)駅は青森県西津軽郡にあるJR五能線の無人駅。
秋田県能代市の東能代駅と青森県南津軽郡田舎館村の川部駅を結ぶ、全長147.2キロメートルの鉄道路線で全43駅。日本に現存するローカル線の中でもローカル度はかなり上位に位置する。
停車する列車は往復5本しかないので事前に綿密な計画を立てて冒険に出発しないといけない。
それが驫木駅。
そして自分はこの日、天気が良かったので千畳敷駅から驫木駅まで歩いて来た。Googleマップで見たら3駅隣ですぐに行けそうだったから。
物凄く遠かったので徒歩はお勧めできない。安易な判断でとても後悔した。
2時間ほど歩いたが自分以外に誰も歩いている人間は居なかった。コンビニどころか自動販売機も無いので脱水症状になりかけ。
そんな苦労を乗り越えてたどり着いたのが驫木駅。
驫木駅は、昭和9年(1934年)に開業。昔の驫木駅の写真を見ると学生さんらが通学のために驫木駅に並んでいる時代もあった。
しかし2024年現在は駅前のは商店どころか民家も全く無い。
あるのは木造の駅舎と目の前に広がる海のみ。
このタイミングで写真を撮るために全力で千畳敷駅から歩いてきた。
現在の駅舎は昭和26年(1951年)に建てられたもの。
驫木駅という名の由来は「波の音・瀬の音が轟き、3頭の馬も驚いたというところから」とWikipediaに乗っていた。「轟」ではなく「驫」なのは馬が由来。
小さな木造の建物がシンプルながらも温かみのある雰囲気を醸し出している。外から見ると小さい駅舎だが入ってみると中は意外と広い。
駅舎には旅人用のノートや人形などが置いてある。おそらくJRの備品ではなく有志一同から。
なぜかウマ娘(オグリキャップ)も居た。
ホームといっても外と遮るものは無い。駅舎に入っても自動改札機も切符販売機もないから駅舎を通過しなくても問題ない。
何十年もここで日本海と向き合っている駅名標。日本海の厳しい冬を乗り越えてきたせいかボロボロ。だがそれが良い。
夕陽が当たっている木造の駅舎も最高。
夕陽がストロングポイントの驫木駅らしく「夕焼け暦」と「夕日時計」も設置されている。
透明ケースで守られている。無いと冬の吹雪で壊れるのだろう。
などと一人でブツブツ独り言を言っていたら終電の時間となった。
なぜ夕陽の時間に終電が来るのか?
それは五能線だから。
ここ驫木駅から自分がいまベースキャンプを張っている能代まで帰るにはこの18時台の電車に乗るしかない。乗り過ごしたら深浦駅止まりの電車のみ。
五能線の中では比較的大きな駅である深浦駅ですら駅前には何も無い。
つまり乗り過ごすと野宿する羽目になる。
[18時32分発の深浦行]
絶対に終電を逃すことはできない緊張感
それが五能線にはある。