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Halozyme Therapeutics

Posted on 2023年8月26日2023年8月26日 by 丿貫
year   act                event
1998設立
2004IPOAMEXに株式上場
2005FDAヒアルロニダーゼ 注射剤Hylenex 承認
2007NASDAQへ株式の上場先を変更
2010rHuPH20酵素プラットフォームの米国特許を取得
2014FDACIDP治療薬Hyqvia 承認
2014提携ヤンセンと ENHANZE™ テクノロジーにおいて
2015提携イーライリリーと ENHANZE™ テクノロジーにおいて
2016提携ジェネンテックとENHANZE™ テクノロジーにおいて
2017提携BMSと ENHANZEテクノロジーにおいて
FDAMabThera SC 承認
2019R&DHerceptin Hylecta  承認
2020FDADARZALEX FASPRO 承認
FDAPhesgo(パージェタ/ハーセプチン) 承認
2020提携中外製薬と ENHANZEテクノロジーにおいて
2022M&AAntares Pharmaを9.6億ドル 
2023FDAVYVGART Hytrulo 承認

開発パイプライン

    一般名          適応症     提携企業  段階 
efgartigimodCIDP,ITP,天疱瘡argenx3
nivolumab腎細胞がんBMS3
nivolumab+relatlimabメラノーマBMS3
atezolizumab非小細胞肺がんRoche3
ocrelizumab多発性硬化症Roche3
amivantamab非小細胞肺がんJanssen 3
[2023年8月時点]


Halozyme Therapeutics(以下ハロザイム)は体内に存在するとある物質を分解するドラッグ・デリバリー・システム(DSS)テクノロジーを強みとしている。

その物質はヒアルロン酸。


保水性能が高く女性が美容目的で顔に注射しているあのヒアルロン酸を分解するテクノロジーがハロザイムのENHANZEテクノロジー。

ヒアルロン酸そのものは顔の皮膚だけでなく膝の関節など体中に存在する。ドライアイなどでもヒアルロン酸入りの点眼液を使うし人間には必須の糖タンパク質。


だがその大切なヒアルロン酸を敢えて分解する。


なぜなら医薬品を皮下注射するときにヒアルロン酸があると邪魔になるから。ヒアルロン酸は良くも悪くもバリアの役割があるので異物が入ってくるとブロックして腫れることもある。

ならその皮下注射時に邪魔なヒアルロン酸を一時的に分解したら良いという発想から開発されたのがHalozymeのENHANZE technology。

このENHANZEのコアがヒアルロニダーゼ「rHuPH20」(ボルヒアルロニダーゼ アルファ)


ヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸が交互に直線的に結合しているムコ多糖。その結合している部分を切断するのがヒアルロニダーゼ「rHuPH20」。

皮下注するときに存在する邪魔なヒアルロン酸を加水分解する酵素で主薬をスムーズに送達させる。この技術の長所は可逆的な所。

ヒアルロン酸が永続的に分解されたら困るがrHuPH20で分解されたヒアルロン酸は二日程度で再生するので安心。

FDA承認済の薬(パートナー開発)


ヤンセンのダラザレックスは多発性骨髄腫の治療を革新的に向上させた。2022年売上高は80億ドルの大ヒット薬。

しかしダラザレックスには欠点があり静脈内投与でゆっくり時間をかけて行わないといけない(急速に入れると副反応。)ので投与に最低3時間は必要。患者さんからしたら病院で3時間も処置を受けるのはしんどい。

そこで登場したのがDarzalex Faspro(和名:ダラキューロ)。

ダラザレックスの主成分ダラツムマブにボルヒアルロニダーゼ アルファを追加したこの薬だと投与時間を5分程度に短縮できる。薬効は同等性で早く投与できるとマイナス点が無いのでダラキューロに切り替えるが進んでいる。

ダラツムマブ製剤におけるダラキューロ比率

2023年2Q時点で臨床で使用されているダラツムマブ製剤の9割がダラキューロ。なのでハロザイムには売上高に応じたロイヤリティが入ってくる。

ハロザイムはヤンセン以外の大手製薬とも様々な薬を共同開発しているのでその都度マイルストーン収入がある。しかし開発は成功するか失敗するかは分らない。

だがダラキューロはこれからも売れ続けることが予測されるのでロイヤリティの算段も立てやすい。ハロザイムで注目すべきは総売上高でなくロイヤリティ収入。

ダラキューロ以外にも重症筋無力症治療薬ウィフガート(アルジェニクス社)の改良型VYVGART Hytruloが2023年にFDAから承認を受けた。

ロイヤリティ収入はまだダラキューロがメインだが他の薬からもロイヤリティ収入が増える。

2023年度中の承認を目指しているのはBMSのニボルマブ製剤とロシュのオクレリズマブ製剤。


ニボルマブはノーベル賞で有名なオプジーボ製剤。

2022年の売上高は80億ドル(BMS社のみ)。

オクレリズマブは多発性硬化症治療薬で一次進行型多発性硬化症の第一選択薬。

2022年の売上高は60億スイスフランでロシュのトップセール薬。

これからの薬にハロザイムの技術が応用されたらそのロイヤリティ収入はかなり見込める。

ダラキューロのFDA承認は2020年なのでしばらく特許切れの心配が無い。ロイヤリティだけで2023Q2は1.1億ドルで前年同期比30%増とこの勢いはしばらく続く。

開発パイプラインの薬が全て承認されたら2027年までにロイヤリティ収入だけで年間10億ドルは可能とみる。2023年8月時点での時価総額は56億ドルなので割安に感じる。

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